読書ノート/ああああ
 
は着込み、その他の物は荷造りして持ち出すばかりにした以上、それらの物を屋外に持ち出さなくても、強盗罪の既遂である」

 あるとき、ぼくはK君のノートをのぞいていて、
 「被害者を欺き、縊死しても蘇生しうるものと誤信させて縊死させたときは、殺人罪が成立する」
という一文をみつけ、それがなんとなくずっと引っかかっていた。 そんなおまじないみたいなことが現実に可能なのだろうか、とぼくは思った。 事件の詳細が知りたかった。

 『刑法判例研究』(長島敦著、大学書房刊) という本を見てみると、こんな事例が載っていた。

 この事件の被告人は加持祈祷を商売にしていた人、おまじないのプロだ。
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