トレイン/番田
いた
*
緑の芝生の向こうに 家並みがあって
小高い山が ぼんやりと そびえている
日本では見られない形の雲が ぼんやりと 立ちこめている
黒い車が往来している
白い車も そこに やってくる
黄色い車の形を ひとりで見ていた
遠い異国の街で
ぼんやりとカフェで 黒いコーヒーなどを 飲みながら
ラーメンを食べることを必死で考えている
*
それは幸せなことだろう
そうではないのならたかがしれているのだ
夢の中で誰かに会いたい
今はもう 日常では会う気力もない
職場と家との往復の毎日だ
疲れだけが体の底から立ち上がってくる
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