トレイン/番田 
 
くるだけ


自分が誰なのかもわからなくなる
正しいこととは一体なんだろう


夢の中で地図を広げている
言葉を失えば自由になれるのだろう


そんなありもしない想像だけが微かに浮かぶ
街の中でどこに向かうのか


言葉は乾燥地帯の中のように干上がってしまった
銃を手にした兵隊が歩き回っている



そんな描写をするのは 少しだけ 苦手だ
何も もう 私は考えたくはない
労働者のフリをして街の中を歩き回る
失業者だった頃が 懐かしい
風が 体を干上がらせる


確かなものは どこにあるのだろう
自分をたたき直したい
携帯ゲームを 手にしな
[次のページ]
戻る   Point(2)