トレイン/番田 
 
うわけでもなく
何をするというわけでもなく
眠りに向かうのが 全て 正しいのかもしれない



パンを 手で 食べることもなく
そこで やさしい目を いつも していたい


そこに 十分な食料もなく
噴水から流れ出される 水たちを 見ていた
犬が中に入っては 出てくる あの夏の日を思い出す
私が そこで 生きていたのは いつのことだったろう



スターバックスで緑のストローを囓りながら
甘くもしょっぱくもない ドーナツを頬張ると
ここに来て 失敗だったと 私は思っている
チケットの半券を 握りしめながら
帰る当てもなく バスの様子を そこで 見ていた
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