トレイン/番田
うわけでもなく
何をするというわけでもなく
眠りに向かうのが 全て 正しいのかもしれない
*
パンを 手で 食べることもなく
そこで やさしい目を いつも していたい
そこに 十分な食料もなく
噴水から流れ出される 水たちを 見ていた
犬が中に入っては 出てくる あの夏の日を思い出す
私が そこで 生きていたのは いつのことだったろう
*
スターバックスで緑のストローを囓りながら
甘くもしょっぱくもない ドーナツを頬張ると
ここに来て 失敗だったと 私は思っている
チケットの半券を 握りしめながら
帰る当てもなく バスの様子を そこで 見ていた
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