詩、薬、病のこと等、ノートより寄稿/小野 一縷
何か、大事な何かが、決定的に、私には足りない。
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02/10
いつから、何故、精神はこんなにも弱々しく、
歪に、か細くなってしまったのか。
部落で生まれ育った。両親共働きであった。
幼少の頃、半身と両腕に火傷を負った。
五度にわたり下腹部と脇腹から植皮の手術。長い入院生活。
治療時の抜糸・処置の痛みは、幼い私にとって凄まじい恐怖の連続だった。
泣きわめき、嘘をつき、小便を漏らし、必死で抵抗した。
中学で捕まるまでボチボチと、窃盗、万引きをしていた。
兄は大卒で私よりずっと優秀。幸せな家庭を築いている。
人を虐めたこともあるし、また人に虐げ
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