something wrong_01/ehanov
いと、発車に関する電光板を見て知った。
鶴岡は閉散とした駅だった。改札が二つほどしかなく、駅員がひとりいた。駅員の顔は影で埋れていて表情がはっきりしなかったが口元だけははっきりみえた。三日月みたいな口をしていて、優しそうな人だと私は思った。
私は乗り換えたい旨を駅員に告げると、プラットホームは構内にあるからということで、先ほどとは別のプラットホームに案内された。
鶴岡の駅の外は草原があって、その向こうにビルや道路やらの灯りがある。灯りは温もりとしての希望だった。人の匂いがあるからだ。鶴岡から約二分、東京は近い。
降りた駅は東京だった。それはまるで、熱海ー小田原間に点在する駅の構造だと思った
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