something wrong_01/ehanov
 
った。駅を降りると、電灯が明滅しながら立ち並ぶ地下通路を通らなければ乗り換えができない。人が誰もいない東京駅に私はひとりでいた。乗り換えて渋谷へ行きたかった。渋谷へ行けば一夜を過ごせる場所がたくさんあるうえに、人が多いから寒くはないだろうと考えたからだ。磯の匂いと海のさざめきと黄ばんだ壁と薄暗い電灯をたくさん吸い込んで歩いて、私は山手線に向かいたかった。冷たい風が吹いた。


すべての運行は終了していた。0時半の終電までにはまだ時間があると思っていたのだが、しかしながら誰もいない。この辺りに宿はなく、外を見回すと、草原があって、その向こうにビルやら道路やらの灯りがある。
私は大崎駅から品川
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