道標はなるべく愉快に/ホロウ・シカエルボク
 
だと感覚的に理解した、生き物にはきっとそれは確実に理解出来る事柄なのだろう…彼は胃袋がどのような役割をするのかまでは知らなかったが、喰われたものはもう生きていないのと同じだということについては理解出来た、ああ、と彼はまた思った、死に方がほんの少し形を変えただけだ…彼はぬるぬるとした熱い液体の溜まる床を避け、同じように粘つきはするが少しはマシな壁へ貼りついた、その時天地がひっくり返り…なにか強い衝撃の後視界が明るくなり、彼の身体は巨大な指でつまんで捨てられた、「なんだ?」「魚の腹にムカデが居た」「珍しいな」その指はそんなことを話していた、むろん彼にそんなことは判るべくもなかったが…彼は死んだようにそ
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