道標はなるべく愉快に/ホロウ・シカエルボク
理由は判らないがまずは楽器から試してみるべきだと思った…一番シンプルな、自分ひとりさえいれば何とかなるようなもの、歌やなんかはあとに置いておくことにして…そうしなければ模索することが恐ろしいということがあるのだ、それは誰にも判ることではないのかもしれない、どんなふうに言えば理解してもらえるだろう?知るための手順には、手間がかかった方が確かにそうと知ることが出来る、そんな種類の真実が一番大事なもののような気がするのだ、と、一握りの人間たちはいつも口にしているのだ…ソリストはいくつかの楽器を手に取り、投げ捨て、時には叩き壊し、忘れて、罵った…およそもう楽譜とは呼べそうにないものを知ろうとしているのだ、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)