君は引鉄を引きたい/ホロウ・シカエルボク
しとしない
君が諦めて出てくるまで
客席に腰をおろして帰ろうとしない
君はトンプソンM1短機関銃を手にして
彼らがそれが本物かどうかと考えているうちに
(あるいは玩具を使った幼稚な演出だと笑っているうちに)
見事な腕前で彼らの頭を次々と破壊していく
バーン、バーン、バーン
君の耳にまで
まだ撃たれていない人たちの悲鳴は届くことはない
それが重火器というやつの素晴らしいところだ
なにもかも、なにもかも
硝煙と血しぶきの向こう側さ
劇場には甘い臭いが立ち込め
ブルーの椅子は真紅とのまだらになり
煙は次第に晴れ
君は君がもたらした死
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