コオリ/番田 
 
 刻々と
何かが閉じられては
そこで終わっていくのかもしれない



黒い屍がまた
どこまでも車で運ばれていく
赤い文字で書かれた私の知らない
自分の本当の名前がガタガタと また
何度も何度もそこで また 揺れていた
過去に私は一体何をするべきだったのだろう
自分自身の名前をそこで
手の中に ぼんやりと見つめる
私は ああ 少しでも 人のことを愛すべきだったのか
だけど そこには 何もかもが
その文字の中にあるのだろう 何一つとして そこには
一つも何も書かれてはいないけれど
狭い小屋の
小さな部屋の そこにある
部屋の小さなドアを 何となく そこで

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