コオリ/番田
刻々と
何かが閉じられては
そこで終わっていくのかもしれない
*
黒い屍がまた
どこまでも車で運ばれていく
赤い文字で書かれた私の知らない
自分の本当の名前がガタガタと また
何度も何度もそこで また 揺れていた
過去に私は一体何をするべきだったのだろう
自分自身の名前をそこで
手の中に ぼんやりと見つめる
私は ああ 少しでも 人のことを愛すべきだったのか
だけど そこには 何もかもが
その文字の中にあるのだろう 何一つとして そこには
一つも何も書かれてはいないけれど
狭い小屋の
小さな部屋の そこにある
部屋の小さなドアを 何となく そこで
少
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