コオリ/番田 
 

いつもひとりで
私はなぜか 憧れていた


いくつものそこから押し出された
いくつもの黒い色のような言葉たちが
ああ なんとなく
私の向こうにぼんやりとそこに見えた
黒い山手線の向こうに
手にできるものは一体何だろう
それともそこに
流れるようないくつもの風なのだろうか
意味もなく そして そこからまた
消え去っていくものは何なのだろう
服や商品の類いなのか
他愛のないその誰かの話のことか
見ているだけの私は
少しだけ ぼんやりと疲れた



全く疲れていないのは
いつも 緑の植物だけど
その植物のどこへいけばいい
そこで何をすればいい

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