Black and Blue/ホロウ・シカエルボク
する40年前に造られた船。泣くなんて馬鹿なことよ、って、幼い少女は言うのさ、そうだとも、君は泣きながら生まれてきてまだいくらも経っていないもの。朝食の砂糖をまぶしたトーストとブラックコーヒーが胃の中で失望して声を上げる。彼らは体液と融合して固形と液体の間で苛々を覚えている。スネアドラムが少し強い一撃を放つときにそれらがすべて浄化してくれればいいのだが。すべてが嘔吐に変わる時代があった、食物が消化器官をうろつくたびに脳裏に蘇る感覚がある。食道の逆流を防止する弁はあのころに少し馬鹿になった。肉体の上から胃袋をおさえる。そういう感覚がちゃんとある。大丈夫だ、なにも問題はないと胃袋のやつは言う。日常の中で
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