Black and Blue/ホロウ・シカエルボク
 

週末の浮かれ者たちが往来を闊歩するせいで緩やかな眠りを逃した日曜の朝、ストーンズは肉体のビートに乗ってネグリータと叫び続け、ディスプレイに日光が当たるのを防ぐために午前中は開けられないカーテンのせいで、天井に灯された人工的な白色は微細な稼働音を呟きつづけ、電気ストーブが存在意義を探すように首を振りながらそれよりは少しだけ大きな声で泣きつづけている。身体は重くもなく軽くもなく、つまるところつかみどころがない。週末は時々忌々しい浮遊感をもって実体をあやふやにする。キーを叩きつづけるのならそういう遊び程度の憂鬱も格好の材料には違いない。部屋の一番底を流れるメロディ、存在の一番朦朧とした海域を漂流する
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