わたしが好きな詩人 ミーハー主義的雑文 3−1/るか
 
青春
時代を送った彼らは、戦地から帰還し、荒廃した国土を前に
して、全く異なった作風の詩を書きはじめる訳ですね。とい
って、モダニズムの詩法から訣別した、とまではいいきれな
いと思います。ただ余りにも主題が変わり果ててしまった。
戦後の彼らは美や芸術の夢を個人主義的に詩歌へ託す、俗に
いわれるような意味での「詩人」ではなくなりました。鮎川
の親友だった同人の森川は戦地で死亡し、戦争の時代経験は
彼らに本質的な態度変更を迫ったに違いありません。
 
 これを、モダニズムのプロレタリアへの接近、というふう
に見ることが可能だと思うのです。プロレタリアとモダニズ
ムとは対立的であ
[次のページ]
戻る   Point(1)