わたしが好きな詩人 ミーハー主義的雑文 3−1/るか
 
でありましたが、時代がその混交を促したとい
う所があったのではないでしょうか。そしてそのような場か
ら、後発的に、戦後日本の最大の思想家とも目されうる、吉
本隆明という詩人が現れるのです。
 実は、プロレタリアとモダニズムの時代は同時に、四季派
の時代でもあったのです。また日本浪漫派の時代でもありま
した。つまり両大戦間のこの時期、多様な詩的潮流が至ると
ころで渦を巻いていた。それをあえてプロレタリア/モダニ
ズムの二項に代表させたいのは、その力関係こそが現在に至
る詩史を規定してきたもののように私にはみえてくるからに
他なりません。
 私はこのような、<両大戦間>という世界
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