貝が夢見る明日/ホロウ・シカエルボク
俺がどんな言葉で話をするか君に判ってもらえるだろうか
俺の大脳皮質からウミガメの卵のようにぽろぽろとこぼれてくるものの形状が
君の感覚野にまで届くことがあるだろうか
凍えるカーテンの向こうに光を躍らせて
観念的な一本のケーブルを引くことが出来るだろうか?
23時間と59分が経過した世界の中に俺は点在している
あと一分が小さな世界の概念を確実に塗り替えてしまう
身体に触れるものはなにひとつ変化しないというのに
ターンテーブルが一回りする
寸分違わぬ筈のイントロが半秒ずれている
窓の外を飛ぶ鳥が秒針の動きとリンクして一秒の間で不自然な位置変えをする
判っているはずなのにど
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