長編詩 成人の日に寄せて(抄)/salco
 

次代の人生主体が能う限りの充実を生きるようにと
あれこれ気を配りながら年老いて行く事にしか自己存在の合理を見出せないのだ
(そうでなければ凡人の人生は、失われて行くばかりの事象に対する
詠嘆と惜別に費やされてしまうだろう
手にした物は何もかも、
若さと同じ束の間の輝きとして指の間からこぼれて行くばかり
追慕に胸を痛めて生きるほど無価値な時間はない
そんな拷問は
充分ネジの外れた寝たきり老人になるまで猶予して頂きたいものだ)
無論、いかなる旅の途上であろうとも
魔王の手から子供を護れる親などいはしないのだが
♪オ・トーサン オトーサン 魔・王ガ今ァ〜



飢渇
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