長編詩 成人の日に寄せて(抄)/salco
しい機能だろう
Mm〜ma、mm〜ma
欣喜雀躍に水を差して悪いが何もあんたを呼んだわけじゃない、
これが最も簡単だったのだと言えるようになるまでは先が長過ぎて
翌日あたりには忘れてしまいもしたが、
口唇や口蓋、中でも最も鋭敏な舌を駆使して発音する面白さにも
我々は夢中になったものだった
それはまるでストローの先から次々に吹き出される、
色とりどりのあぶく玉のようだったから
このくすぐったい色彩を帯びた音楽的魔法が嬉しくて
いちいち頭を振ったり体を揺すったり
手を振り回して秘密の唄を作ってはくすくす笑っていたのだが
しばらく経つと、
突如の教育熱に浮かされた親に肩を掴
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