乱視/手乗川文鳥
 
奪、しずかな排斥、
えいえんに訪れない和解、欠乏しているのは目に見えるものの中にも、目に見えないものの中にもあって、掬いきれないから、飲み込むしかなかった、それが、飲み込まれることと同じであっても、融け合いたいと願うことと、その拒絶が、掛け違いになったボタンのように、ループして、終わりがないので、それは、和解などあり得ないのに、なのに融け合いたいのでわたしは。
全部丸ごと身に纏う



いずれ
ひとけのない墓地となるので
都市は
喪服を探している
仕立ての良い黒い影を
落として
その上を
用心深く歩いていく
おとなたちと
死にたくはない
こどもたち
わたしは横断歩
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