0/はるな
 
好きになれそうな気がした。それにわたしも母もメイロさんのことを信頼していた。そのことはベイビーが我が家に暖かく迎え入れられる大きな基盤となった。

 いまでもなつかしく思いだすことがある。
 ベイビーが来てから何カ月かたった初秋のころだ。
 めずらしくまだ午前中にメイロさんがうちへ来て、母とわたしとベイビーとで散歩に出た。よく晴れた日で、気温は下がってきていたけれど、日差しが暖かかった。銀杏並木のある道をあるいて、大きな公園まで行った。
 わたしはベイビーの首輪につけたマーブルもようのゴムみたいな質感の紐をしっかりと手に巻いて、母とメイロさんがその後ろから見守るように歩いているのを感じて
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