溺死のミュージック、TOTOで葬送/ホロウ・シカエルボク
りは
遠くの山の頂に薄いグレイの雪が縛りつけられている、長く積もったいつかの雪はそのまま悲しみのようだって、記憶の中でゆっくりと発音しているのはどこの誰?
確かだった名前さえ思い出せないくらい年を取ることなんか珍しいことでもない
底無し沼から拾いあげたフレーズ達はすでに溺死のあとで、だけど腐乱の奥底から聞き覚えのない脈動が聞こえていて、俺は何度も配列をやり直す、やり直す、やり直す、追いつめられた神のような心情で
目蓋についた小さな裂傷が語るのは不適切な睡眠とそれに伴う眼球の不具合、見た、見た、見た、見た、見ずとも構わない様々な様相を
唇に残った昨夜の食事の豹変した雰囲気、昨日は俺に成りえ
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