溺死のミュージック、TOTOで葬送/ホロウ・シカエルボク
 




死、の音木霊する春来る窓辺、おおお
枯れた枝にまといつくいつぞやの暴落
嫌な臭いの涎を拭った爪の先が太陽を求めて喘いでいる、曇天
鼠色の羽持つ鳥達が陰鬱な旋律を調律している、暗い、暗い日曜日
この朝が俺から蝕むものを焼けただれた表皮から探し出そうとするような、逡巡
壁の染みが俺の目を盗んで少しずつ移動しているみたいに思える、浅い眠りの、アフター
霞んだ視界は何のためだ、定着する朦朧はどんなものを見るまいとしたのか、あるいは
どんなものだけを、見ようとしていたのか?
時計はまだ針を進めない、秒針は5と6の間でスタンバイし続けている、あるいはそれはこの俺へのひとつの暗示
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