正月の街の幻想/番田 
 
。いいわけかもしれないけれど、自分とは少しだけ違ったものを人は求めてしまうのではないだろうか。人間が宇宙人や鯨やイルカなどに憧れを常に持つように、それは個人としてはどうしようもないことなのだ。そうではないのなら私は少しばかり変わった人間なのかもしれないとなんとなく思わされてしまう。みんな同じで有ればいいのにと静かな願い事のようなことをそこで浮かべさせられている。


詩の中で技術的な進歩を感じられないままいつのまにか一年が過ぎてしまった。私の中で暗い葛藤となってそれは渦巻いている。日常は、詩とは切り離された世界である。詩にしても音楽にしても何にしたってそれはそうなのだろう。多くの人にとって社
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