朝露を踏んで/Giton
 
を証明した
  .
がパリの学士院は彼の論文を拒絶し
北国の神童は借金に埋もれて夭折した
そしてテュイルリーの外壁が新たな
革命の予感に揺れ動いていたとき
  .
群衆の中からひとりの不良少年が進み出て
aχ5+bχ4+cχ3+dχ2+eχ+f=0
ぼくはその解法を知っていると叫ぶ
共和派の彼の父は迫害の末に自殺したばかりだった
  .
怒号と嘲笑に包まれた学士院は
少年の提出した論文を屑籠に棄て
残念ながらきみの論文は紛失してしまった
からには審査することは出来兼ねる
  .
それでも少年はさらに二回の口答試問
でも蹴落とされつつ二度目の論文を完成
したそ
[次のページ]
戻る   Point(2)