日常的な公園/リンネ
大きく開かれたスカートの垂直線上には、雨合羽を羽織った若い男が立っている。そいつはうつけたように、真っくらな両の目を女の股間のほうへ向けていた。
いってみれば、どいつもこいつも鬼であるかのようであった。Kにしてみたら、いつのまにかこのゲームに巻き込まれていたのだから、いつそれをやめてしまってもかまわないような気もした。おそらくそれができなかったのは、この遊びをやめたところで、はたして自分は他に何かやることがあるのか、まったく見当もつかなかったからであろう。ともかくKは、しばらくして、このいっかな動きそうもない状況を打開するため、さりげなく公園内を歩きはじめたのであった。鬼を誘って、探り当てよう
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