日常的な公園/リンネ
ようという魂胆である。
だが、意外にも、だれひとり何の反応も見せないという結果であった。Kなどまるで見えていないかのようなのである。ただし、疑ぐり深いKは、これを鬼の策略であるとまんまと見抜いていたからだろうか、あらゆる人から十分逃げ切れる距離をとって、なおもじっくりと公園中の人々の観察を続けている。
いやに大人の多い公園である。三つあるブランコは、恰幅の良い中年たちが占領しており、なにやらもっともらしい顔つきで前後に揺れている。公園中央にある広場では、黒いスーツを着たグループと、灰色のスーツを着たグループとが、ボールを投げ合って何かを競っている。それから、公園周りの歩道を、二三十人はいる
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