『しろう』-永遠未完小説-/しろう
られており、体内時計を維持するために昼夜、輝度を自動調節します。わたしたち個体は娯楽を一切必要としないので、あとは栄養食の受け取り口と廃棄口、緊急時における避難用防具入りのロッカー、非常通路へのタングステン合金製の鈍色に反射するドア、床一面はダークグレーで、壁全面は柔らかいセルリアンブルーとなっています。全ての通信は「量子もつれ」で事足りるので、ワイヤーやプラグの類は一切ありません。また室内はエアー・コンディショナーによって298.15K(摂氏25℃)、湿度は55%RHに保たれているので、衣類を必要としません。(ちなみに基礎体温はあなたがたとほぼ同じ約309.5K程度ですが、わたしたちの血流は体温
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