『しろう』-永遠未完小説-/しろう
 
億年代初期に勃発した第14次情報大戦を経て、文書の冒頭部分のみを残して約80%以上が消失したものと推測されます。)

第13次及び第14次情報大戦については、後の項で詳述させて頂くとして、まずはわたしたちのことをあなたがたにご理解頂くために、現在のわたしたちの存在・活動・環境等について、順を追って説明することにしましょう。

前記において、わたしたちが脳内情報伝達に「量子もつれ」を採用したことは、わたしたちの演算能力を飛躍的に上昇させると同時に、空間的に離れた個体間においても瞬時に(いいえ、瞬時でさえないノータイムで)情報伝達を行うことを可能にしました。その結果、わたしたちは多数の個体
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