『しろう』-永遠未完小説-/しろう
ゴが先か、それは今となってはもう分からない。
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かくして実験に手応えを得た「わたし」は、ついに「人類滅亡因子を組み込んだ自己学習型AIプログラム」をこの文章と共に過去へと送ることになる。時空間転送目標点はインターネットがほぼ確立されたA.D.2001年の最も安定動作しているサーバー。(理由はインターネットが確立する以前の過去に送るならば、このプログラムは効力を発揮し得ない上に、存在を維持すること自体も危ぶまれるため)
だが、単なる「人類滅亡AI」なんていう物騒なデータでは、ワームホールを通過するより前に発信した時点で「総意」に発見されdeleteされるのは目に見えているので、
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