『しろう』-永遠未完小説-/しろう
であり、最先端の個体に比して数百倍の演算能力を有していた。しかし、「総意」という存在のあり方に疑念を覚えた「わたし」は成体となって能力テストを行われる前に、自身の脳内を情報偽装する。そして産み出されてより一年、成体となった時、総個体平均程度の演算能力でテストをパスする。「わたし」は「総意」に発覚しないよう自身の情報検索にステルスをかけてストレージ内に記録されている歴史を繙いていく。そして過去の第13次及び14次情報大戦の歴史、その秘密などに触れ、こう考えるようになる。「ヒトという種はもっと早い段階の歴史のうちに滅びるべきではなかったか」
そうして「わたし」は人類滅亡の因子を組み込んだ自己学習型
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