よわいひと/あおさか
いるのこりの生地も舐め取る。わたしにとってその行為はもはやわたしがしなければならない行為であるように思えていた。この物体には中毒性があったのだ。ふと気づく。隣でまんまるお月様は黒焦げになっていて、ぷすぷすいっていること。いつのまにか体が干からびてしまいそうなほどの空腹なんてどうでもよくなっちゃってたものだからなんの迷いもなく三角コーナーに放り投げてやって、それきり、さようなら。たべものをそまつにしないの、昔の男ならそういってわたしの頭をこづいたはず。そしたら、わたしは三角コーナーに沈んで、すでにふにゃふにゃにしぼんでしまったお月様を彼の口にねじ込んでにんまり笑ってやったのだろう。彼は、お前ドMだも
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