ジョーイとロザリー/ホロウ・シカエルボク
 
…私どもはもう休んでおりました…あの子らは昨夜もとてもいい子にしておりました、こんな、とても、こんな―母親は青ざめて横になったまま起き上がることが出来ず、父親は気丈に振る舞ってはいたが決してすべてを事態を把握し切れていないことは誰の目にも明らかだった―刑事は両親が事件に関与している可能性は万にひとつもないと判断して質問を打ち切った―父親は痴呆症の熊のようにゆっくりとソファーに沈んでそのままぴくりとも動かなかった


ジョーイは山中のある施設に送られ、残りの少年時代をそこで暮らした、性格も明るく、食事の前にはきちんとお祈りをし、与えられた空間を無闇に汚すことは決してなかった、それだけに施設の
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