もう逃亡しません《2007年》/がぱ
角へ滑り込み消えてしまいしょう。
肉球を強奪した猫に会う為には会えるかも知れません。
げらげらげらげら
まるで化け物のように笑う。
哀しみと暗闇の中で指は唄う。
何時しか月に見つからぬうちに消さねばと
取り除かなければならぬものが
つめたい器の内に
しつこくこびりついているようにみえ、
底はかとなく、くろぐろとした
病の液のようなそれを
わたしたちはスプーンでくりりとすくいだし
ベランダの出窓から解き放ってしまったのでした。
ーわたしたちの芥(ごみ)をー
それは森ばかりの広がる地に
そのままに滑り落ちて割れました。
それでよかったんだわと
わたしはわた
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