片付けるひと/恋月 ぴの
今季一号の木枯らし吹き荒れた次の日の朝
あれだけ騒々しかったのが嘘みたいに静まり返っていて
近所の児童公園にはこれでもかってぐらい散り積もった落ち葉
これってプラタナスだよね
比べてみれば私の手のひらよりも
ソフトボールのミットよりもおっきくて
こんなんが夏の強い日差しを癒してくれていたんだ
見渡せば足の踏み場なんか無いぐらい枯葉色に占拠されていて
いったい誰が片付けるんだろう
森のこびとさんたち大忙し
だなんてことは到底ありえなくて
この町から委託された業者さんが片付けてくれるんだろうけど
片付ける
ひとが誰かの何かを片付けるって行為に覚える
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