片付けるひと/恋月 ぴの
 
えるのは
我が子の紙おむつからはみ出したウンチ片付けるみたいな愛おしさなのか
それとも亭主の脱ぎ散らかした下着類を片付けるときの鬱陶しさなのか

しりぬぐいじゃ寂しいよね

孤独死のお部屋を片付ける仕事もあるらしい

ひとってさ、産まれるときも死ぬときも
そして死んだ後でさえ誰かのお世話になるってこと

煩わしくもあるけど少なくとも生きていることには感謝しないとね

あれほど思い悩んでいたはずなのに
朝起きてみたらけろっと忘れ去っていた

森のこびとさんたち大忙し
だったのかな

朝食前の散歩でもと児童公園へ出かけてみれば
落ち葉はもうすっかりと片付けられていて

枯れ草の目立つ陽だまりは毛を刈られた羊みたいに凍えてた



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