cold water/ホロウ・シカエルボク
持続性にケチのついた情熱の抜け殻、大きな家具屋で買った安物の低反発のクッションの上で鎮座ます、時間は無駄金の垂れ流しみたいでいくら気をつけてもそこから、ほら、そこから、上等なクッキーの粉みたいにこぼれては遮音性に優れたカーペットの余計な模様だ、手指の爪を切らねばならないと思いながらいつの間にか三日が過ぎていた、てめえの骨身に近いことほどいくらでも先送りに出来るものだ
12月になってようやく、しんしんと冷える夜半がやってきた、西の方の田舎の小規模なショッピングモールのいまはもうなくなった服飾店で安く買った裏起毛の赤いトレーナーを着こんでおれは詩を書いている、そう、赤い色が飛び込んできてな
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