巻き戻しか、それとも早送りか/ホロウ・シカエルボク
 
るカラックスの映画みたいに
(おいで、僕は君との間に、新しい橋を掛けたい)
この街にあふれる明かりがもしも全部消えてしまったらあなたはわたしを見つけられない?と、大金がらんだインテリジェント・クイズの司会者みたいに聞いた君
僕はそれに乗って難しい顔をして制限時間いっぱいまで考え込んで多分見つけると言った、目視することだけが君を見つける手段ではないもの、と付け加えた
そうして君だけが横断歩道を渡って行く、受粉する蜂のように跳ねながら、向こう岸にたどりつく、赤い点滅信号の下で髪をすくようなさよならのしぐさ
小さな通りに駆けて行ったらもう君の姿は見えない、僕は君を見つけられるか、あの
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