フリー・フォール/ホロウ・シカエルボク
 
、と俺は思う、隔離された場所だからこそ叫べるという認識は、ただただ、そこでしか聞こえない声があるからなのだ、俺が聞きたいのは俺自身の叫び声なのだ、俺は叫ぶことによって、自分を知ろうとしていたのだ、そんなことがいまのいままで判らなかった、叫びそのものは問題ではなかった、叫びと俺の間にあるスタンス、それをきちんと把握することこそが大事だった、叫びには意味がなく、叫びに付随する俺に意味があったのだ、点はどんどんと増殖してゆく、またしても、と俺は思う、またしても隠されてしまう、俺の存在は壊れてはならないもののように隔離されてどこからも見えなくなってしまう、誰が望んだ、誰が望んだ、誰が望んだ、誰が望んだんだ
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