フリー・フォール/
ホロウ・シカエルボク
んだ、両の手の指先はぶるぶると震えていた、叫んだことによって奪われたものがあるのだ、視界はすでに真紅に染められようとしていた、だけどそんなものが誰に伝わるというのだろう?幸いなことに息苦しくはなかった、これは、窒息とはまた別のある種の問題なのだ、それを受け入れること、あるいは受け入れないことにどれだけの意味があるのかは判らないけれど、そうして俺の身体はまた、どこかに向けて落下を始めている。
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