白色の雲たちがやってくる街/番田 
 
だったり、色々な色をしていた。ブラックバスを狙っては銀色のルアーを池に投げる。ダイワ精工のルアーはピカピカに光っていて好きだった。子供もどんどんルアーを投げ込んでは引き寄せている。いつまでたっても釣れないので、私たちは少しづついらだってきていた。
「父ちゃんもうこんな意味のないことはやめて、池の水でも抜いて、バスの姿を堪能しようぜいっ!」
と子供が言うので、それに合意して池の水を田んぼの中に入れている水門のところまでやってきた。


水門の上に円盤のような回す車輪のようなものがあったので、それをぐるぐると回していくと、徐々に田んぼの方へと池の水が流れ出ていく。波紋が徐々に大きくなり緑色の
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