酔歌 - 4 / ****'04/小野 一縷
 
ら飛び立つ一羽の 灰青色の水鳥
散った飛沫は 氷粒として湖面に 零れて 輝いた
青い透明の中に隠された輝きの輝度は 冷ややかな音諧
それは 旅立ちの旋律に変成する
タタンカが 遠く 月より高い丘の上
暗黒の夜景へ向けて 威厳を 遠く鋭く 吹き降ろす

熱く 熱く 清々しい 熱を 浴びる 
脳天から爪先にまで 染み渡る 血熱
二つの黒い眼を宿した炎 松明を止り木にして 息をつく
天へ 一切を落下させる 天へ 
暗黒の天へ 上昇するものは 墜落へ暗転する
闇は常に回転している 円を描くものは 全て回帰する 
回転する巨大な暗黒
星々は 蜘蛛の子のように 弾けるように 

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