未浄化の為のいくつものリブート/ホロウ・シカエルボク
 
めなければ、まだそんな自覚はひとつとてないけれどこの身体だって確実に老いていく、あるいは 、朽ちる前に断ち切られる、幾人もの近しいものが荼毘に伏されていったこのところ、燃え上がる棺桶を思いながら俺は思った、生き延びることはさよならを引き受けてゆくことだ、いつか出来の良いさよならを放つために、俺はもう一度愚かさと激しさにこの身を閉じこめる、ケンタウル、弓を放て、どんなに生きても訳知り顔だけはしない、いつでも新しい行先を目指す旅人でありたい、一度知ったことはもう知らなくていい、捨てていけ、捨てていけ、出来るだけ後ろの方に、必要なものなら勝手に戻って来るさ、前進は先に行き続けるということではない、どんな
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