一ヶ月ぶりの女/はだいろ
。
とても、考える。
地下鉄で、考える。
サラリーマンにはとうとうなれないということに、
気がつく。
すっぱだかで、空を見上げたいと、
願う。
だれもぼくの上司なんかじゃなく、(あたりまえだ)
だれも、ぼくの部下なんかじゃない。
ぶさいくな上に、
新人指名料をごまかされたので、
もう二度とこの店は使わない。
しかも、
生で入れよう入れようとするのに参った。
ぼくは断じてゴムをつけたのだけど、
Mサイズのコンドームは、
入れてる最中に、
バチン!と音をたてて破けてしまった。
危ないったらありゃしない。
嘉村磯多という、山口県の小説家の、
「業苦
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