中編小説 心と口と行いと生活で 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
本当に変よ? …私、なんだか怖く成ってきちゃった…。やっぱり、今日のところは帰…」
「先輩」
 私は立ち止まり、溢れ出しそうな涙を堪えながら、先輩の方へ振り返った。
「…何?」
 先輩もまた、今にも泣き出しそうな顔に成っており、怖々と私の顔を見上げた。
「先輩は明日の夕方、睡眠薬を飲み、?自宅?で、自殺をしてしまうのです」
 先輩は大きな瞳をさらに大きく開けて驚いた。
「えっ?」
「此処は、僕の記憶の中の世界なんです。そして、僕は、現実の世界から、?僕と先輩?を救う為に、先輩の元へ、僕の記憶を遡ってやって来たんです」
「どうして私が明日の夕方に自殺なんてするの? 其の?理由?は?
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