木螺子/nonya
 
に東へ傾けて
僕は久しぶりに風景と正対した
もう完全に動けなくなってしまったけど
なんとなく幸福だった

季節と時間は
動けなくなった僕の回りを
極めて滑らかに巡った

春夏秋冬春
朝昼夕夜朝
さすがに退屈になった僕は
気がつくと時計回りで回転していた

いつからか僕の身体に刻まれた
螺旋状の傷痕は
地面とよほど相性が良いらしく
僕は回転しながら
着実に地面にめり込んでいった

土の中は思ったより温かかった
僕は心の底から安堵した
もう二度と転がらなくても良いと思うと
少しぐらいの錆びつきは気にならなかった

僕は今
首の下まで地面に埋まっている
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