そんなに長い眠りじゃなくてもいい/ホロウ・シカエルボク
 
話しているんだ、このおれもそのなかのひとつだ


同じリズムの呼吸をもっておまえが残したものを見つめた、何に対する…何に起因する気分なのかと、そんなことにとらわれながら…ベランダにぶら下がるおまえ、洗いきれなかった汚れもののように…揺らぎもせず…


おれは呼吸をしながら、まぶたを揉み、顔を撫で、口に手を当てて息を感じ…
おれの住処のベランダを見る、あそこには
吊るには手ごろな金具がある、もしもおれがその気になれば、あいつよりもずっと楽にそうすることが出来るだろう


おれは呼吸を感じる、おれの人生には
そんな衝動が入りこむ余地はないだろうけれど
物干し竿にぶらさがる名も
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