中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
となんだけれど…。よく考えてみると、僕が法廷でどんなに足掻いてみても、?死刑?にはなり得ないんじゃないかってさ…」
「…それはそうだよ…現代日本の法律は古代のハンムラビ法典じゃないからね…」
 僕の中の天秤は、君に会えなくなるということに傾いていた。想像することが困難な程、恐怖が肩から上へ鳥肌を立てながら上がってきた。僕はこの空間のように、自分の創った殻に閉じこもっているのにようやく気付いた。僕の孤独の空間と、他人(君)の孤独の空間が奇跡といってもいいぐらい、繋がり合って、この空間を形成した原因は、ネットの出会い系サイトのように、悩みを抱えた孤独なお互いが、自分に似た他者を必死に求めたようなこ
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