中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
、まるで?取り調べを受けている罪人と、取り調べをしている刑事?のように映った。勿論前者が君で、後者が僕だが…。何故だかそういう風に見えること自体が、?至極正当な心の反応?で、その中には?僕?による?君?への裁きのように僅かに思えたのだった。もう僕の中には君を絶対視し、信頼している僕はいなかった。しかし、今までの君との記憶を思い出すと、その僕の不在を、崩壊させようとする?運動?すら感じ取ることができた。その遠ざかる感覚の変化を君のいる方角から凝視していた。
「…なんていうかね、薄々僕は感じるんだ、…いつの日かこの場所で君とも会えなくなるかもしれないということを…。…父親を殺したから当たり前のことな
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