中編小説 文芸誌ジョイントオーナーシップ・スペース 作 丸山 雅史/時間が蕩けるアインシュタイン
 
ージシャンとして活動できると信じて止まない自分がいるのを発見した。しかし、解き放たれた感情の終末は、あまりにも残酷に雰囲気を暗く照らし、僕の涙腺を激しく拡張させた。
 君は真っ白な煙草の煙を投げやりに文芸誌に吹きかけ、煙草を持っている右手を胡座に置いて、まだ肺に残っていた煙が僕の心を突き破るような大きな溜め息によって、薄い色で吐き出された。
 君は躁鬱病の患者のように、瞬く間に落ち込み、前髪の影で瞳が隠れた。僕はその暗闇の中にきらりと光るものを見たような感じがした。時刻を見ようとしたが、この空間にある全ての時計の針が、消え失せていた。この空間に流れる時間が分からなかった。そして、いつまで経って
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